徒然草(占い・岡山・東京・霊視)

    あなたを元気にしたい、それが私の願いです。

    ヘレンド。

    私はサラリーマンの時に休憩時間で使うマグカップ、これに気を配る余裕は一切ありませんでした。 あの時から比べると今は天国にいるようで、素敵なお客様にお会いできる奇跡に感謝しています。

    お客様より時々ですが、「会社で使うマグカップは、何が良いですか?」と言う質問を受けます。 これは自分が好きな物が一番いいと思うのですが、色やデザインなどで気になる方は遠慮なく御相談くださいね。 なお、私が女性にマグカップを贈るなら最近で言うと、ヘレンドのマグカップをプレゼントすると思います。

    「ヘレンド」とは陶磁器製のディナーウェアや人形やホームアクセサリーなどをデザイン~生産~販売しているハンガリーの商品ブランド(企業)です。

    時は1826年、ハンガリーの首都ブダペストからそう遠くないヘレンド村、そこがヘレンドのスタートとなります。 ショプロン出身のヴィンツェンツ・シュティングルにより創業されたのですが、この辺りは焼き物が盛んだったのでマヨルカ陶器の産地としても知られています。 (ただし、シュティングルは掘っ立て小屋からのスタートでした。)

    そんな状態から抜け出したのは1839年にタタ出身のモール・フィッシャーが経営に参加してからですが、そのころはマイセンや骨董品など高級陶磁器の修復会社でした。

    そのヘレンドの名声を一躍世に知らしめたのは、サルディニアの王が中国から持ち帰った陶磁器の食器セットの破損してしまった物の複製を、ヘレンドへ持ち込んだ事件がきっかけとなったからです。 フィッシャーは破損した食器の複製に成功したのですが、心配性の彼は自分の作品に自信がなかったので少々作戦を考えました。

    トリノの城に着いたフィッシャーは、まず本物の中国製陶磁器をテーブルに並べて自分の修復した作品は棚に隠しておきました。 そして、王や家来達が部屋に到着すると、早速「修復品」の批評が始まりました。

    案の定、ここがいけないとかあそこが違うなどと批判が始まりました。 しばらくの間、黙って聞いていたフィッシャーが満を持して「実は本物の修復品はこちらです。」と真実を明かすと、一本取られた王は素直に受け入れて王を騙せるほどの作品を作ったフィッシャーを絶賛したのです。

    この逸話から始まり、次々とヘレンドの名が高まるとともにフィッシャーは新しいデザインを次々に世に送り出しました。 そして1851年のロンドン博覧会では、かのヴィクトリア女王がウィンザー城の為に注文したくらいです。 これは中国風の絵柄に蝶の舞うデザインで「クイーン・ヴィクトリア」シリーズとして、一般で大変流行しました。 それからはヨーロッパ貴族の間で、ヘレンドの作品がブランドとして確立して広まったのです。

    当時にハンガリーを統治していた、「貴族の中の貴族」と言われるヨーロッパで最も由緒ある「ハプスブルク家のフランツ・ヨーゼフ皇帝」もこよなくヘレンドを愛していて、モール・フィッシャーに貴族の称号を与えるほどでした。

    その後、1862年に歴史あるヴィエナ窯(ウィーン窯)の閉鎖に伴い、ヘレンドはフランツ・ヨーゼフ皇帝の命によって、旧ヴィエナ窯の型(モールド)やデザインを継承してレパートリーに一層の厚みを加えることになりました。 この時に継承された型の中には、「ウイーンの薔薇」や「パセリ」などがあります。

    当時のヘレンドの顧客にはそうそうたるメンバーがいて、ヴィクトリア女王~フランツ・ヨーゼフ皇帝~ウージェニ皇后~イギリス国王エドワード七世~ドイツのヴィルヘルム一世~イタリアのヴィットリオ・エマニュエレ王~金融王ロスチャイルド家の人々など、世界の歴史を彩る人物が数多くいたのです。

    ヘレンドの磁器は、薄く軽く~白く透きとおった肌合いが特徴です。 世界には色々なメーカーがありますが、手描きの染付けで白く透明度の高い磁器の洋食器は大変に少ないのです。 技術的にクリアしなければならないことが多く、大量生産も出来ない為でしたがヘレンドはそれを解決しました。

    使ってみてはじめてわかる部分も多いのですがヘレンドの染付けの基準は「優しさ」で、手にとって温もりが伝わるような色を美しく表現することです。 使った時の感触は、使った人だけが分かるのかもしれません。

    「East meets West」 これは19世紀のデザイン運動を推し進めたウイリアム・モーリス (画家&工芸デザイナー)の有名な言葉ですが、ヘレンドのDNAの中には西と東の両方の文化~価値観~美意識を内包しているのです。 古い伝統にこだわりつつもヨーロッパだけではなくイスラムや東洋との価値や文化の交流など、異文化を取り入れることを恐れなかったから柔軟性こそがヘレンドだと言わしめているのです。

    なお、私が休憩時間に使うマグカップは何かと言えば、実はヘレンドではありません。 今の私ではヘレンドを使うのは、まだ似合わないからです。 ちなみに、今使用しているマグカップは「となりのトトロ」です。

    あなたは歴史の深みと味わいを、どのように感じていますか?

    (・.・;)…??
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