
おはようございます。 人間は生まれてきた以上は幸せになるべき、その幸せとは悔いの無い人生を送ると言うこと、本当の幸せとは自分自身が死ぬ間際において納得できたら幸せだったと言える、生きている時には分からないものなのかもしれません。
今日は実話について書かれた本の話ですが、「おそめ―伝説の銀座マダム(石井 妙子)」と言う本があります。
これはある一人の女性の生き様を書かれた作品ですが、これは女性ならば一度は読んでも良いのではないか、田舎や封建制度が残る地域における女性の立場、それを跳ね返して生きる力強さとせつなさなど、そういう部分を知ることが出来ると思います。
この作品は「上羽 秀(うえば ひで)」と言う女性について書かれているのですが、「おそめ」と言う通り名で知られて、京都と銀座に店を構え飛行機で往復する生活を送っていたことから「空飛ぶマダム」と呼ばれました。
この本を読んでいて女性の弱い立場は大袈裟に言うと涙なくしては読めない程ですが、秀の母である「よしゑ」が嫁ぎ先でどのような仕打ちを受けていたのか、これを読むと県北での出来事は嘘ではないと分かって頂けるはずで、田舎や封建制度における女性とは「奴隷・家畜以下」となります。
詳しくは本を読んだ方が良いと思いますが、少し御紹介すると嫁が食べるのは家人たちが食事した後の残飯に水を掛けたもの、嫁が寝ていると舅がいきなり覆いかぶさってきて辱めを受ける、これは封建社会における女性の扱いを指し示している部分です。 (今でもあるので、お嫁に行く時は御注意を!)
この部分を読んでいたら県北出身者としては心が痛くなるのですが、日本の田舎が素朴で人情味溢れると言う幻想や封建社会におけるお金持ちの意味、それをよく考えて頂ければと思います。
さて、このおそめこと上羽秀は尋常小学校を卒業すると舞妓修行の為、東京新橋の花柳界へ上京しました。 芸者修行の経験がなかった秀は新橋置屋藤間流の仕込っ子として育てられ、15歳になる頃に舞妓として売り出される運びでしたがよしゑの強い意向で京都へ連れ戻されました。
京都へ戻った秀は舞妓としては適応年齢を超過して、祇園の主流であった井上流の舞が修められていなかったことから芸妓として売り出されることになりました。 こうして秀は見世出しを迎え~黒紋付の引着を纏い~屋形の玄関へ立ち、ここで芸名が「そめ」となりました。
秀はすぐに売れっ子となり、いくつもの座敷を掛け持ちするようになり、秀を贔屓にしていた客により、「おそめを見る会」が立ち上げられるなど凄まじい人気となりましたが、御多分に漏れず姉芸奴によるいじめも相当でした。
それから落籍するとしばらくは旦那と暮らしていましたが、旦那以外の男性を好きになり家を出て行きました。 その後はカフェで働いていたのですが余りの人気ぶりにいじめが始まり、なんやかんやで木屋町にバーを開くこととなり店の名前は「おそめ」と名付けられて、カウンターに5~6人がようやく腰掛けられる小さなホームバーとして開店しました。
このお店の常連客として、「服部良一、門田勲、大佛次郎、川口松太郎、青山二郎、白洲正子」などがいて、会員制の小さなバーにも関わらず大いに繁盛しました。
そして常連客の伊藤道郎が東京にもおそめのような店を作って欲しいともちかけると、元来東京にあこがれを持っていた秀は飛びついて、銀座3丁目に東京の「おそめ」が開店しました。 オープンから文士~映画人~財界人~政治家など多数が押し寄せ、立錐の余地も無いほどの盛況ぶりでした。
秀は土曜日に京都に帰り火曜日に東京へ発つ生活を送るようになり、飛行機で伊丹と羽田を往復する秀は、「飛行機マダム」や「空飛ぶマダム」として世間に知られるようになりました。
しかし、栄枯盛衰は世の流れで銀座において№1だったおそめも、1978年2月に、「店内工事のため休業させていただきます」という張り紙がドアに張り出され、一世を風靡した店は静かに幕を下ろして秀は店を止めて家庭に入ったのです。
おそめが潰れた理由は色々あるのですが、主な要因としては「手を広げ過ぎた、偽洋酒事件、給料&待遇」などありますが、どれもこれも時代の仇花として仕方の無いことだったのかもしれません。
仕事について悩んでいる女性、田舎へお嫁に行きたい女性、お店を出したい女性、銀座でホステスをしたい女性、県北へお嫁に行きたい女性、そういう女性は一読されると何かのヒントになるかもしれません。
なお、作品に出てくる何度も結婚を繰り返し嫁と子供をほったらかし、家にお金も入れず博打と酒と女が大好きで秀を騙し続けたろくでなしのダメ男、それは「俊藤 浩滋(しゅんどう こうじ)」と言います。
本作品中に出てくる前妻との間に出来た娘が女優になったと言うくだり、それは誰かと言えば「富司純子」のことです。
つまり、孫になるのが「寺島しのぶ」と「五代目 尾上菊之助」で、俊藤浩滋は実の祖父~上羽秀は義理の祖母となります。 (晩年において短期間、籍を入れた為。)
あなたはおそめを、読んでみたいですか?
(*゚ー゚*)ポッ
今日は実話について書かれた本の話ですが、「おそめ―伝説の銀座マダム(石井 妙子)」と言う本があります。
これはある一人の女性の生き様を書かれた作品ですが、これは女性ならば一度は読んでも良いのではないか、田舎や封建制度が残る地域における女性の立場、それを跳ね返して生きる力強さとせつなさなど、そういう部分を知ることが出来ると思います。
この作品は「上羽 秀(うえば ひで)」と言う女性について書かれているのですが、「おそめ」と言う通り名で知られて、京都と銀座に店を構え飛行機で往復する生活を送っていたことから「空飛ぶマダム」と呼ばれました。
この本を読んでいて女性の弱い立場は大袈裟に言うと涙なくしては読めない程ですが、秀の母である「よしゑ」が嫁ぎ先でどのような仕打ちを受けていたのか、これを読むと県北での出来事は嘘ではないと分かって頂けるはずで、田舎や封建制度における女性とは「奴隷・家畜以下」となります。
詳しくは本を読んだ方が良いと思いますが、少し御紹介すると嫁が食べるのは家人たちが食事した後の残飯に水を掛けたもの、嫁が寝ていると舅がいきなり覆いかぶさってきて辱めを受ける、これは封建社会における女性の扱いを指し示している部分です。 (今でもあるので、お嫁に行く時は御注意を!)
この部分を読んでいたら県北出身者としては心が痛くなるのですが、日本の田舎が素朴で人情味溢れると言う幻想や封建社会におけるお金持ちの意味、それをよく考えて頂ければと思います。
さて、このおそめこと上羽秀は尋常小学校を卒業すると舞妓修行の為、東京新橋の花柳界へ上京しました。 芸者修行の経験がなかった秀は新橋置屋藤間流の仕込っ子として育てられ、15歳になる頃に舞妓として売り出される運びでしたがよしゑの強い意向で京都へ連れ戻されました。
京都へ戻った秀は舞妓としては適応年齢を超過して、祇園の主流であった井上流の舞が修められていなかったことから芸妓として売り出されることになりました。 こうして秀は見世出しを迎え~黒紋付の引着を纏い~屋形の玄関へ立ち、ここで芸名が「そめ」となりました。
秀はすぐに売れっ子となり、いくつもの座敷を掛け持ちするようになり、秀を贔屓にしていた客により、「おそめを見る会」が立ち上げられるなど凄まじい人気となりましたが、御多分に漏れず姉芸奴によるいじめも相当でした。
それから落籍するとしばらくは旦那と暮らしていましたが、旦那以外の男性を好きになり家を出て行きました。 その後はカフェで働いていたのですが余りの人気ぶりにいじめが始まり、なんやかんやで木屋町にバーを開くこととなり店の名前は「おそめ」と名付けられて、カウンターに5~6人がようやく腰掛けられる小さなホームバーとして開店しました。
このお店の常連客として、「服部良一、門田勲、大佛次郎、川口松太郎、青山二郎、白洲正子」などがいて、会員制の小さなバーにも関わらず大いに繁盛しました。
そして常連客の伊藤道郎が東京にもおそめのような店を作って欲しいともちかけると、元来東京にあこがれを持っていた秀は飛びついて、銀座3丁目に東京の「おそめ」が開店しました。 オープンから文士~映画人~財界人~政治家など多数が押し寄せ、立錐の余地も無いほどの盛況ぶりでした。
秀は土曜日に京都に帰り火曜日に東京へ発つ生活を送るようになり、飛行機で伊丹と羽田を往復する秀は、「飛行機マダム」や「空飛ぶマダム」として世間に知られるようになりました。
しかし、栄枯盛衰は世の流れで銀座において№1だったおそめも、1978年2月に、「店内工事のため休業させていただきます」という張り紙がドアに張り出され、一世を風靡した店は静かに幕を下ろして秀は店を止めて家庭に入ったのです。
おそめが潰れた理由は色々あるのですが、主な要因としては「手を広げ過ぎた、偽洋酒事件、給料&待遇」などありますが、どれもこれも時代の仇花として仕方の無いことだったのかもしれません。
仕事について悩んでいる女性、田舎へお嫁に行きたい女性、お店を出したい女性、銀座でホステスをしたい女性、県北へお嫁に行きたい女性、そういう女性は一読されると何かのヒントになるかもしれません。
なお、作品に出てくる何度も結婚を繰り返し嫁と子供をほったらかし、家にお金も入れず博打と酒と女が大好きで秀を騙し続けたろくでなしのダメ男、それは「俊藤 浩滋(しゅんどう こうじ)」と言います。
本作品中に出てくる前妻との間に出来た娘が女優になったと言うくだり、それは誰かと言えば「富司純子」のことです。
つまり、孫になるのが「寺島しのぶ」と「五代目 尾上菊之助」で、俊藤浩滋は実の祖父~上羽秀は義理の祖母となります。 (晩年において短期間、籍を入れた為。)
あなたはおそめを、読んでみたいですか?
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