徒然草(岡山・東京・山崎かずみ)

    あなたを元気にしたい、それが私の願いです。

    酉の市。

    おはようございます。 昨日も無事に東京より帰って参りましたが、これもひとえに素敵なお客様のおかげで、この幸運は全て素敵なお客様のおかげで本当にありがとうございます。

    さて、今回の東京では「酉の市(とりのいち)」へ行ってきたのですが、昨年は諸事情により行けなかったので2年ぶりとなる酉の市です。 この酉の市は毎年11月の酉の日に行われますが、西日本には余り馴染みが無く関東の方で多いお祭りです。

    同じ週末に行われたB-1グランプリが2日間で51万5千人を集めたようですが、新宿花園神社の酉の市は1日で60万人を集めたので集客力の凄さが理解して頂けると思います。

    東京で有名な酉の市は江戸時代から浅草の鷲神社(東京都台東区千束)で、隣の長国寺と共に大きな酉の市が開かれていますが、鷲神社と長国寺は明治時代に神仏分離で二つに分かれたので事実上は同じ敷地となります。

    そして現在は花園神社(東京都新宿区)や大國魂神社(東京都府中市)など、関東地方各地の社寺で酉の市が行われていて、特に新宿花園神社の酉の市は何と1日で60万人が来るので、本家本元の鷲神社に匹敵するくらいになっています。

    これを見る度に思うのですが、岡山県でもやればお祭りとしても人を集めることができるのにと思うのですが、チャレンジ精神が無いと地方は廃れていく一方だと思います。

    さて、酉の市の由来は神道と仏教の双方から異なる解説があり、どれが正解と言う訳では無く考え方や流派の違いだけだと思います。 神道と仏教の争いごとは僧侶と神主に任せておいて、私は真面目に歴史の観点から解説したいと思います。

    実際の始まりは花又の鷲大明神の近在農民による収穫祭が江戸酉の市の発端で、鷲大明神は鶏大明神とも呼ばれていて、当時氏子は鶏肉を食べる事を忌み社家は鶏卵さえ食べないようにしていました。

    鶏を神と祀った社は綾瀬川に面しているので人や物の集合に好都合で、酉の日に立つ市には江戸市中からの参詣者も次第に多くなりましたが、社前で辻賭博が盛大に開帳されたことにより安永年間に禁止令で賑わいは衰微しました。

    それに変わり酉の市の盛況ぶりは浅草長国寺に安置された鷲ノ巣の妙見菩薩へ移り、最も賑わう酉の市として現在に至るのが本当のところで、酉の市の始まりとは秋の収穫物や実用の農具が並んだ近郊農村の農業市が江戸市中へと移行するに従い、招福の吉兆を満載した飾り熊手などを市の縁起物とする都市型の祭へと変遷したからです。

    それと同時に浅草鷲大明神の東隣に新吉原が控えていたから、男性が江戸中から集まっていたことも鷲神社の酉の市を派手にした要因でもあり、いつの時代も男の下心は繁華街的なことを作りだします。

    話は戻りますが、酉の市の立つ日にはおかめや招福の縁起物を飾った「縁起熊手」を売る露店が立ち並び、市を開催する寺社からは小さな竹熊手に稲穂や札をつけた「熊手守り」が授与され、福を「掃き込む、かきこむ」との洒落によせて「かっこめ」と呼ばれています。

    縁起物の代表である熊手は鷲が獲物をわしづかみすることになぞらえて、その爪を模したとも言われていて、「福徳をかき集める、鷲づかむ」との意味が込められています。 熊手は熊手商と「買った(勝った)、まけた(負けた)」と、気っ風の良いやり取りを楽しんで買うものとされて、商談が成立すると威勢よく手締めが打たれます。

    商品額をまけさせて、その差し引いた分を店側に「ご祝儀」として渡すことを、「粋な買い方」とするのが習わしで、手締めはこの「ご祝儀」を店側が受け取った場合に行われる場合が多いです。

    つまり、値切るけれど値切った分は御祝儀として渡すから、結局は定額を支払っていることになります。 「どうして?」とか「ばかばかしい」と思われるかもしれませんが、実はこれをしたら江戸締めと言われる祝いをお店の人たちがしてくれます。

    この江戸締めは全国的に広く行われている最も基本的な手締めの形態で、江戸締めには一本締めと三本締めがあります。 拍数の「3回・3回・3回・1回」は3回の拍が3回で九になり、もう1回手を打つと九に点が打たれて「丸」になり、「丸く納まる」の意味になるからと言われています。

    また、始まりや間の手として「イヨー」「ヨッ」「もう一丁」などの掛け声をかけますが、この「イヨー」は「祝おう」が転じた掛け声となっています。

    縁起熊手を正式に買って御祝儀をお店の人へ渡したら、購入した熊手を担いだ状態で江戸締めをしてくれます。 これはもう信じるかどうかは本人次第ですが、江戸締めをして貰うと福運が付くと言われて、精神的にもしゃんとする気がするので一度は体験してもいいと思います。

    なお、私は浅草鷲神社ではなく新宿花園神社の酉の市へ行くのですが、この酉の市の選び方は「何となく足が向く」が基本です。 それに些細なことですが浅草鷲神社は職人気質で一元さんお断りも多く、芸能人や有名人だけ特別扱いで宅配もしてくれないので難しいところです。 (棲み分けと言うか振り分けとしては、鷲神社=職人系で~花園神社=ヤ○○系です。)

    デジカメの小部屋に酉の市の風景を載せていますが、この雰囲気を味わうと再び足を運びたくなります。 来週には倉敷事務所へ開運の熊手が届くので、設置したら写真をアップしたいと思います。

    最後になりますが熊手を売っているお店の法被を着た男性たちの手を拡大して見ると、ところどころ小指が写っていない写真があります。 「心霊写真…?」と思われるかもしれませんが、小指が無いのは心霊写真ではないのでお間違えのないように…。 (笑)

    あなたは酉の市へ、行ってみたいと思いますか?

    ☆⌒(*^-゚)v Thanks!!
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